音楽と洋服その4

こんにちは。宮津です。

今日は大好きなドラムについて。私がかつて愛してやまず、今でも聴くと上がってしまうのが90’s HIPHOP。特に94年産の曲はすごく好きで、92~3年だと少し軽めでギンギンなギターなどのネタが多かったり、96年くらいまでいくとちょっと新しすぎちゃったり、とにかく94年がドンピシャでした。

当時はPETE ROCKやDJ PREMIER、Lord Finesse、BuckwildなどのDITCあたりとかJ Dilla、あのロウなモコモコビートに大変恋い焦がれたものでした。しかしのちにそれらはSP1200やMPCによって生み出されたサウンドだという事を知りました。サンプリング可能な時間が限られているため(確かSP1200は4秒)サンプリングした音のピッチを下げるとなんとあのモコモコに劣化しているのにかっこいい音が産まれてしまったのだとか。J Dillaはわざわざミキサーでスネアをカチカチにしてからサンプリングしていたりなど、やっぱり理屈だけではなく色んな工夫があるんですね。そりゃあ現代の機材でそんなことしませんから、そんな発見から出た音が世界中で鳴っているなんてすごいですね。そんな事で私はどちらかというとクリーンでパキパキしたドラムよりもそんな太くてロウなドラムが今だに好きなのでドラムだけはサンプリングして作ったりもしています。すでに劣化しているような音色のものを、さらにサンプリングしますのでとてもクリーンな音とは呼べないのかと思いますが、バランス良く鳴るととてもテンションが上がります。
現在はそれらを表現した便利なエクスパンションなどもありますしSpliceを使っている人たちもたくさんいるんでしょう。便利になりましたが、自分なりの良いものが見つかる瞬間がいちいちやってくるので、そんな自分の20年の体験とガチッと合わさった時に楽しくなるんだと思います。

画像はMPC1000でサンプリングしたサンプルをこれから流し込んでどうにかしてやろうという状態です。これをDAWに流したのにまた別のサンプラーでリサンプリングしてみたりと、まだまだ自分の中での実験は続きます・・・・ 果てしないけどその時間はかつて夢中になったギターやDJや洋服に似ています。

さて、今日はまたパンツの話を深掘りしてみましょう。このゆるりと始まったシリーズBlogでは入荷情報などではなくちょっと個人的な見解や深掘りをしていきたいと思っているのでちょっと耐えられない方は申し訳ございません。ご興味のある方はよかったら読んでみてください。

AFTERS®︎ / UNIFORM PANTS 28,600円

デニムに夢中だった10代から20代。私は現在も友達のMくんとバイト代が貯まったらよく学校サボって原宿に行っていました。今と違い情報がないですから紙媒体とクチコミのみで徐々に知識も付いてきました。そうなると、Mくんどうやら最近デニムはアレらしいよ、りょうちゃん実は次はアレだってよ、なんて会話を一年中していました。そんな青春のある日、Mくんがいきなりチノパンを穿いて現れました。うわ くらった そそそそそれはMくん何のチノなんだい?とビビりながら聞いて、そこから今度はチノパンにどっぷりです。この前までデニムデニムうるさかったのに急にいやチノでしょ。と若いですね。

その時はDUCKHEADとか東洋系、バズリクソンズなどでした。いろんな大戦レプリカのチノパンが存在していて、もちろんオリジナルは手が出ませんでしたのでレプリカから入り、徐々に裏原ブランドが出すチノパンなども。他のはやすっちいベージュなのにあの光沢のある高級感のあるビジュアルが忘れられない、、、、、うわ〜欲しい!!と脳裏に焼き付いていたのでしょう。数年穿き込んで腰回りが伸び、白いペンキとかが飛んで、穿いてる本人は何にも気にしていないような、そんなかっこいいチノパンのイメージがどうしても抜け切らず・・・・

そうAFTERS UNIFORM PANTSの原体験です。

そんな穿きはじめはプレーンでなんかまだ自分のものになってない感じが1年くらい穿き込んでくると急にかっこよくなってくるタフなチノパンが作りたい気持ちからとても綺麗に仕上がったチノパン。もちろん綺麗にプレスして穿いていただく方もいらっしゃるので対応できるように仕上げました。

しかし原体験のイメージ相応に仕上げるにはよっぽどタフではないといけないですね。おそらく来年くらいから現在穿いていただいている皆様のチノがめちゃくちゃカッコ良くなると思っています。穿き込んでいくなら少し時間はかかると思います。

ではこのAFTERSのチノパンはどの様な生産過程なのか以前のBlogでもご紹介したのですが今日はもう少し深掘りします。

このチノパンの最大の特徴は「タフで光沢のあるコールドマーセ素材を使用」「しかしパターンは綺麗なトラウザーであること」です。

その一見いいとこどりなパンツを作るために使用したのがこちら。

DURKOPP(デルコップ)558ミシンです。
1980~1998年に製造されていたヴィンテージミシン。大体私とタメです 笑 ということは私ももうヴィンテージの類なのでしょうか。しかしながら現役バリバリのミシン!こいつの特徴はと言いますと、

「ボタンホールしか縫えない」

です。

一つの事しか出来ない、なるほど昭和生まれの頑固で融通のきかないおっちゃんのようなこのミシンは縫い目が鳩の目の様なのでハトメ穴と呼ばれています。このボタンホール設備を備えているアトリエはなかなかないのではないでしょうか。かなり高価なミシンです。なかなか言うことをきかない扱いが難しいミシンですが電子制御にはない良さがあり、メンテナンスも電子部品がないのでシンプルです。

この画像のこの穴です。これしか出来ません!しかしこの誰も気にしないし見えないところに大きな投資をする変態集団。でもそれが良いんです。機械としてのビジュアルもカッコイイですよね。
実はUNIFORM PANTSでは眠り穴かがりミシンという呪文のようなボタンホールを使用している箇所があるのですが、それはまたご紹介したいと思います。

このハトメボタンホールは、コートやジャケット、スラックスなどに使われることが多いのですがAFTERSのUNIFORM PANTSはトラウザーのような綺麗な仕上げにしているのであえてこのボタンホールにしているのです。

そんな深掘り情報からオススメの穿き方を最後にご紹介。

モデル身長 175cm
着用サイズ L

合わせるのはコンバースでも革靴でもいいですし、この秋冬私はマーチンにしました。マーチンの紐はJAPなのでベージュ。他国の文化を良い感じに自分たちの文化にする日本人らしさでベージュにしました。チノにも合うし。

このマーチンベージュ紐でUNIFORM PANTSがこの先冬の私の定番になると思います!天邪鬼な私は20~30代当時、ライバルDJたちはみんなNEWERAでNIKEでダボダボだったので、NudiejeansにジャストなTシャツでメッシュキャップでバキバキスクラッチするという、、人と同じが嫌でそもそもそんなスタイルでした。そんな頃の思いが蘇ります。マーチン履いてBEATMAKINGなら私らしくてちょうど良いです。このチノパン合わせたい秋冬アイテムが多数これから出て行きますのでこんなご準備&ご提案いかがですか??

もちろんWEBでの購入もできますので遠方の方はこちらからどうぞ→AFTERS®︎ / UNIFORM PANTS

こちらも久しぶりですがここでは記さない色々な情報を出すべく少し使い始めましたので良かったらフォロー宜しくお願いします。

この記事を書いた人

RYO MIYATSU

宮津 亮【株式会社AFTERS代表】中野市出身・在住。2000年より長野市の有限会社World Wideにてメンズ、レディースセレクトショップに勤務。2016年11月に独立、AFTERS STOREを開業。ショップの運営、オリジナルブランドAFTERS®️のディレクションを手掛ける。