音楽と洋服その163

長野市青木島AFTERS自社工場産のデニムジャケット

ゴリゴリの66モデルサンプリングムラ糸14ozデニムで作ったAFTERS初のデニムGジャンが出ます。(今まではデニム素材以外でした)

過去には本場岡山の工場さんに作ってもらったり、長野の工場さんに縫ってもらったりしてリリースはしてきました。持ってらっしゃる方々も多いのでデニムはもう作らないの?とはたまに言われてきました。

デニムはやっぱり岡山でしょ、とか、ヴィンテージのユニオンじゃなきゃね、とか色々バックボーンがモノいうジャンルでもありますし、ミシンが藍色にもなるので、他の生地は自社工場で縫うけどデニムは……という意識があったことは否めません。

しかしながら、ついについに完成した、ここ長野は青木島で作られたMADE IN NAGANO、青木島産の極小LOTGジャン。

言ってみれば、長野のみならず日本全国どこの工場さんに作ってもらっても作れるんですよ服は。なんか日本のどこどこ産!ていえばカッコ良さげじゃないですか。長野産!て。それは誰でも出来るし言えます。でもだから欲しくなる、というのは幻想で、お客さんはどこ産でもいいわけです。

でもここで、長野で自社で私の目の前で作ることにどんな意味があるのか。これから先、10年、それ以上見据えると状況的にも、経営的にも、全てにおいて意味があると考えてます。

本社建てた4年前、もっと前のAFTERS創業時。翌年にはいつかこういう店を作りたいとスケッチしてました。

それは漠然としてましたが、いつかもっと安くて便利でハイテクになることは当時からなんとなくわかっていたので、絶対我々のモデルは衰退していくと思ってたからです。そうしたら最終的に全て自分たちが技術を持って同じ、いやそれ以上のクオリティの商品を作れるようになっておけば立っていられる、と思っていました。

10年くらい経ったら、大手アパレルはグローバルになって、外資系の可愛い服は数百円で変えるようになり、飽きたらゴミ箱へ。どんどんガジェットも進化し、2次流通も当たり前、世界が繋がるようになりました。物価も爆上がり。やっぱり。

そうなればなるほど、我々のインディペンデントなプロダクトは唯一無二になり、相当独自なポジションになると思っていました。そして現在に至ります。ただ作ってきたわけではありません。4年以上毎日技術を磨き続けてきたわけですから、「クオリティ」が絶対的に向上しているんですよね。

4年経っても何にも成長してないんなら呆れますが、大抵は誰でも日々少しづつ積み重ねて体得していくスキルが上昇し続けていくと思ってはいますのでTEAMはそうでありたいと常に思っています。そうならない人は良いパフォーマンスが出来ないし結果も出せないという、ある意味残酷な職場になってしまうのかもしれません。

だからこのGジャンが出せます。

最近日々感じているのは、本当に自分の好きなものを好きでい続けることに価値を感じている、インスタやその他を見る時間も減り、自分の大事なテリトリーやファミリーや仲間との時間が一番リアルで大事だと再認識してて、バンバン流れてくる情報に惑わされないし、若い子は、とか老害が、とも思わない。

そんな地に足ついた感じの方々が一番楽しそうだし、本来の姿にただ戻っただけ、そして変わってない。

好きなバンドは一生好きだし、好きなスニーカーはずっと履いてるし、スタイルも別に変わんない。

そんな方に向けた、もっと言うと、私と長年お付き合いして下さってきたそんなかっこいいおじさん達、中年戦士に向けたユニフォームみたいなイメージなんです。このGジャン。

平日ばちばち働いて、土日の休みはこのGジャン着ていつもの店に飯食いに行くか、これ着て家族と出かけるか、なんて当たり前の日常なんですが、SNSの目立つおすすめ投稿よりも、実は毎日のそれらの日常の方がスペシャルなんだよね、という日々に気づいた瞬間、え?最高だったんか、既に。みたいな感覚なんじゃないでしょうか。だって美味そうに食ってるSNS見てるより自分で食ったほうが美味いじゃないですか。(私のSNSにはラクダがサボテン食ってる動画がアルゴリズムでよく流れてきて息子と娘に苦笑されています)

そこにAFTERSの服がただ寄り添ってるようなもんです。
レアケースだと思いますけど若い世代のお客さんも反応してくれたらそれは嬉しいです。(数少ない20代の方もたまに来てくれるのは嬉しいですね)
でも若い世代の方に向けて作ろうとは絶対思いません。

それから、子供達の学校やスポーツや皆さんのお仕事でも、なんだか殺伐とした個人主義な感じが爆増している話を毎日のようにお店でお客さんから聞きます。それだけ多く聞くということは皆さん本当にそういう事例が多いんだろなぁと。ちょっと話しただけでやめちゃうから腫れ物に触るような行動や、怒れないからつけ上がってしまうとか、協調性やリスペクトを欠いた発言などなかなか難しい状況で皆さん悩んでらっしゃいますね。そんな事より、家に帰って家族と話して、よしっとなった方がいいかなと感じます。

でもパワハラセクハラよりはマシなのかもしれないですけど。

物価に政治に人口減少など不安を煽るニュースばかり流れるようになってますのでいろいろ思うことはありますが、そんな現代の日常を走り続け、好きな服着て好きな事して最高だぜ!ガッハッハ という強いメンタルをお持ちの皆さんに送るGジャンです。

洋服の話なのに何を書いてんだ?と思われると思いますが、ほんとAFTERSに来てくれるそういう方々が支えている社会的な事柄はたくさんあると思います。

私も19歳からお店に立ち続けて25年、何度も何度も変化していくお店をいろいろあれこれしてきました。AFTERSになる以前も、どうにもならなくなったお店を2度3度と復活させる、あのジリジリやり続ける経験は今も忘れません。私も若かったですし、たくさん失敗もして、でも行動するしかない時に、みんなどうしたらいいかわからず下向いて無言、みたいなツラいシーンを鮮明に覚えてます。業績の問題以外にも様々ありましたがそういうのはずっと記憶に残ります。RYOさん相談があるんですけど・・・と言われると良い相談だった事一回もないんですけど。そういうもんですか。

足上がんなくても無理やり両手で引き上げてでも一歩泥の中に踏み込む、みたいな考え方の私は、頑張りたかったけどなかなか一緒には・・・と言われるあの時の表情などは記憶に残りますね。そりゃあそこまでは嫌ですよね。

経験上、大概失敗したなぁという時は、お客さんのためじゃなくて自分らのためにやったことがほとんどですね。だからいつも私はお客さんが喜んでくれるかな、あったら嬉しいかな、が一番先で脳みそが動いています。

この春からたった4ヶ月ですが、いろいろ変えながら細かいトライをいくつもしてきましたが、それだけしつこくやり続けてやっと見えるものがある、くらいです。

いつの時代も、お店は売れなきゃカッコつけたってどうにもなりません、お店なので。皆さんと同じで、日々苦しみながら前進あるのみですよ。

長くなりました。久々にバッターの後方に豪速球大暴投レベルで話がそれてしまいました。でもblogだから良いでしょう。
申し訳ないのですが今回のGジャンは店頭に並ぶことはありません。

長々説明してきた我々の経緯と、時代背景など、いろいろな考えのもと、いつでもどこでも物が買える時代にこのGジャンをご理解いただくのはなかなか簡単ではないと思っているので本店エクスクルーシブのみで販売します。

控えめに言っても出来栄えにめちゃくちゃ興奮しています。この厚さのデニムを我々の技術でバッチリ縫い上げた最高の1着です。自社工場ができて4年間の技術が詰まってます。

このGジャンを毎日着込んでどんな色落ちになっていくのか。これを着ていただける方々と一緒に私も楽しみたいと思ってます。

今まで長きにわたり、一つの洋服を長く愛用して楽しんでいくことをお店で伝え続けてきたつもりですが、そんな楽しみ方をご理解していただける方々が本当に多いのもAFTERSの特徴だと思っています。

このGジャンを10年、いやそれ以上楽しんで着込んでもらえたら嬉しいです。

その他の素材の経年変化も素晴らしいですが、デニムの色落ちの楽しみはちょっと突出していますよね。色落ちのサンプルもご用意してますので着込んでいった後をイメージしてみてほしいですね。

いろんな素材好きですけどやっぱりデニムは面白い!しばらくして「RYOくん、俺のGジャンいい色になったでしょ!ほら!」みたいな感じでお店に来てくれる、そんな瞬間を楽しみにしています。今後もそんな皆さん向けの本店のエクスクルーシブは続いていくでしょう。

まずは店頭で是非サンプルをご試着してみてください!

この記事を書いた人

RYO MIYATSU

宮津 亮【株式会社AFTERS代表】中野市出身・在住。2000年より長野市の有限会社World Wideにてメンズ、レディースセレクトショップに勤務。2016年11月に独立、AFTERS STOREを開業。ショップの運営、オリジナルブランドAFTERS®️のディレクションを手掛ける。